コラム
遺言書の検認に必要な書類一覧!戸籍の集め方をパターン別に分かりやすく解説
亡くなったご家族の遺品から「遺言書」が出てきたら、まずは落ち着いてください。
「何が書かれているんだろう?」
と焦ってその場で封筒を開けてしまうと、
法律違反として5万円以下の過料(罰金のようなもの)を科される恐れがあります。
自筆で書かれた遺言書(自筆証書遺言)を開封し、法的に有効なものとして名義変更などの
手続きに使うためには、必ず家庭裁判所で「検認(けんにん)」という手続きを経なければなりません。
本記事では、検認の手続きに必要な書類一覧や、ご家族の状況(誰が相続人になるか)によって変わる「戸籍」の集め方を、一般社団法人山口県相続センターが分かりやすく解説します。
「戸籍集めが難しくて進まない」という方向けの解決策もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

【資格】税理士・行政書士
【所属団体】一般社団法人日本相続知財センター
S61年税理士登録(登録番号58707)
周南市で父の代から通算46年になる税理士事務所の所長を勤める。職員15名。
相続に関心があり、日本相続知財センター周南支部として一般社団法人 周南相続センターを設立し 争相続(あらそうぞく)を避けるため、 事前対策として公正証書遺言・任意後見契約などを積極的に推進している。
書類を集める前に!遺言書発見時の2つの絶対ルール

検認の手続きに向けて書類を集める前に、遺言書の取り扱いに関する最も重要なルールを2つ確認しておきましょう。
封がされた遺言書は「絶対に」勝手に開封しない
インターネットの知恵袋などでも
「遺言書を見つけて、つい中身が気になって開けてしまった……どうしよう」
というご相談を非常に多く見かけます。
封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人(またはその代理人)の立ち会いのもとで開封しなければならないという法律上の鉄則があります。
勝手に開封してしまうと、法律違反となり5万円以下の過料に処せられる可能性があります。
また、「自分に都合の良いように書き換えたのではないか」と他の相続人に疑われ、大きな相続トラブルに発展する危険性もあります。
もし封がされていない状態で見つけた場合は中身を確認しても構いませんが、封がされている場合は絶対にそのままの状態で保管してください。
「公正証書遺言」や「法務局保管」なら検認は不要
実は、すべての遺言書に検認の手続きが必要なわけではありません。
以下の2つのいずれかに該当する場合は、検認の手続き(面倒な書類集めや家庭裁判所への申し立て)は不要です。
- 公正証書遺言:公証役場で公証人という専門家が作成した遺言書。
- 法務局における遺言書の保管等に関する法律に基づく遺言書:自筆で書いた遺言書を、生前に法務局へ預けて保管してもらう制度を利用したもの。
これらは、作成時や保管時に公的な機関が本人確認や内容のチェックを行っているため、偽造や変造の恐れがないとみなされ、そのまま名義変更などの手続きに使用できます。
(※ご自身が生前に遺言書を作成する場合は、残されたご家族の負担を減らすためにも、これらの制度の利用を強くおすすめします。)
【共通】遺言書の検認に必ず全員が必要な書類一覧

自筆証書遺言の検認が必要な場合、誰が相続人であっても共通して用意しなければならない基本の書類があります。
遺言書の検認申立書と収入印紙・郵便切手
まず、家庭裁判所に検認を申し立てるための「申立書」が必要です。
このフォーマットは裁判所のホームページからダウンロードすることができます。
また、費用として以下のものが必要です。
- 収入印紙:800円分(遺言書1通につき)
- 連絡用の郵便切手(申し立てる家庭裁判所によって必要な金額や内訳が異なるため、事前に管轄の裁判所へ確認してください)
亡くなった方(遺言者)の「出生から死亡までのすべての戸籍謄本」
ここが検認手続きにおいて一番のハードルとなる部分です。
「亡くなった時の戸籍(死亡の記載があるもの)」を1通取るだけでは不十分です。
なぜなら、
「亡くなった方に隠し子がいないか」
「誰が本当の相続人なのか」
を家庭裁判所が正確に把握するためには、生まれてから亡くなるまでのすべての記録を辿る必要があるからです。
戸籍は、結婚や本籍地の移動(転籍)、または法律の改正による戸籍のコンピューター化などによって、新しく作り直されます。
そのため、亡くなった時の役所から「一つ前の戸籍」を取り寄せ、さらにそこに書かれている情報をもとに「もう一つ前の役所」へ請求する……というように、
古い戸籍(除籍謄本や改製原戸籍)を数珠つなぎに遡って集めなければなりません。
相続人全員の現在の戸籍謄本
検認の手続きには、法定相続人が誰であるかに関わらず、相続人となる人「全員分」の現在の戸籍謄本が必要です。
例えば、遺言書の中に「全財産を長男に相続させる」と書かれていたとしても、長男の戸籍だけを用意すれば良いわけではありません。
遺言書の内容に関わらず、法律上の相続権を持つすべての人(次男や長女など)の戸籍謄本を提出する必要があります。
【パターン別】相続人の状況で変わる追加の戸籍謄本

先で紹介した「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍」と「相続人全員の戸籍」に加えて、相続人の構成(誰が相続人になるのか)によって、追加で集めなければならない戸籍が変わります。
ここでは、裁判所のホームページでは少し難解な部分を3つのパターンに分けて整理します。
パターンA:相続人が「配偶者と子供」の場合
最もシンプルで一般的なケースです。亡くなった方に子供がいる場合、相続人は配偶者と子供になります。
この場合は、第2章で解説した基本書類のみで問題ありません。
- 亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
- 配偶者と子供の現在の戸籍謄本
※もし、本来相続人になるはずだった子供がすでに亡くなっており、孫が代わりに相続(代襲相続)する場合は、亡くなっている子供の「出生から死亡までのすべての戸籍謄本」と、孫の現在の戸籍謄本が追加で必要になります。
パターンB:相続人が「配偶者と親」の場合(子供がいない)
亡くなった方に子供がおらず、親(直系尊属)が生きている場合は、相続人は配偶者と親になります。
この場合は、基本書類に加えて、以下の戸籍が必要です。
- 相続人となる親の現在の戸籍謄本
- (※親がすでに亡くなっており、祖父母が相続人になる場合は、亡くなっている親の「死亡の記載がある戸籍謄本」と、祖父母の現在の戸籍謄本)
亡くなった方に子供がいないことを証明した上で、親(または祖父母)が生きていることを戸籍で証明します。
パターンC:相続人が「配偶者と兄弟姉妹」の場合(最も大変!)
亡くなった方に子供がおらず、親や祖父母もすでに他界している場合、相続人は配偶者と兄弟姉妹になります。
実は、戸籍集めにおいてこのパターンCが最も過酷で大変な超ハードモードとなります。
基本書類に加えて、以下の戸籍をすべて集める必要があります。
- 亡くなった方の親の「出生から死亡までのすべての戸籍謄本」
- (※亡くなった方に、すでに亡くなっている兄弟姉妹がいる場合)その兄弟姉妹の「出生から死亡までのすべての戸籍謄本」と、その子供(甥・姪)の現在の戸籍謄本
なぜ親の「出生から死亡まで」の戸籍が必要なのでしょうか。
それは、「亡くなった方に、腹違いの兄弟姉妹などが他にいないか」をすべて証明しなければならないからです。
明治や大正時代まで遡るような古い手書きの戸籍を読み解きながら、全国の役所から取り寄せを行う非常に難易度の高い作業となります。
他の相続人と疎遠で書類が集まらない時は?
遺言書の検認手続きを進めようとした際、大きな壁となるのが「他の相続人との関係性」です。
「他の兄弟と長年仲が悪く、戸籍や住民票を取って送ってほしいと頼んでも無視される」
「そもそもどこに住んでいるのか、連絡先すら知らない相続人がいる」
このようなお悩みは非常に多く寄せられます。
検認には相続人全員の戸籍が必要ですが、疎遠な親族に協力してもらうのは精神的にも大きな負担です。
そんな時の解決策として、行政書士や司法書士などの専門家に依頼して「職権請求(しょっけんせいきゅう)」という制度を利用し、代理で取得してもらう方法があります。
専門家であれば、正当な理由(遺言書の検認や相続手続きのため)に基づいて、他の相続人の戸籍や戸籍の附票(住所の履歴がわかるもの)を役所から合法的に取り寄せる権限を持っています。
ご自身で直接連絡を取る必要がなくなり、スムーズに手続きを進めることができます。
まとめ:面倒な戸籍収集・検認手続きは山口県相続センターへ
自筆証書遺言を有効にするための「検認」手続きと、それに必要な書類について解説しました。
遺言書の検認そのものは家庭裁判所での形式的な確認手続きですが、そこに至るまでの「準備(戸籍の収集)」が最大の難関です。
「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍」を全国の役所から漏れなく集める作業は、平日に仕事をしている方にとっては、役所の窓口に行く時間が取れず、郵送でやり取りを繰り返すだけで何ヶ月もかかってしまう過酷な作業です。
特にパターンC(兄弟姉妹が相続人になるケース)の場合は、一般の方が完璧に集めきるのは非常に困難と言えます。
「戸籍の集め方が全く分からない」
「他の相続人と関わりたくない、連絡先が分からない」
「平日は仕事で役所に行く暇がない」
このようなお悩みを抱えている方は、ぜひ一般社団法人山口県相続センターへご相談ください。
当センターでは、提携する行政書士や司法書士などの専門家と密に連携し、複雑で面倒な戸籍収集から、家庭裁判所への検認申立書の作成サポート、その後の不動産や預金の名義変更手続きまで、窓口一つでワンストップ対応が可能です。
さらに、相続税の申告が必要な場合には、実績豊富な田村税理士事務所がしっかりとサポートいたします。
ご家族を亡くされた悲しみの中で、煩雑な手続きに悩まされる必要はありません。
まずは山口県相続センターの無料相談へお気軽にお越しください。

【資格】税理士・行政書士
【所属団体】一般社団法人日本相続知財センター
S61年税理士登録(登録番号58707)
周南市で父の代から通算46年になる税理士事務所の所長を勤める。職員15名。
相続に関心があり、日本相続知財センター周南支部として一般社団法人 周南相続センターを設立し 争相続(あらそうぞく)を避けるため、 事前対策として公正証書遺言・任意後見契約などを積極的に推進している。


