コラム
【図解】遺言書を入れる封筒の正しい書き方は?封印の作法や選び方を分かりやすく解説
自筆の遺言書を書き終え、いざ封筒に入れようとした時、
「表には何と書けばいいの?」
「ハンコは押すべき?」
「普通の茶封筒でもいいの?」
と迷っていませんか?
実は、法律上「遺言書は必ず封筒に入れなければならない」という決まりはありません。
しかし、封筒に入れずに保管すると、内容を勝手に書き換えられたり、家族にうっかり中身を見られたりするリスクがあり、非常に危険です。
本記事では、一般社団法人山口県相続センターが、自筆証書遺言を確実なものにするための「正しい封筒の書き方・封印の作法」を図解付きで分かりやすく解説します。
「せっかく書いた遺言書を無効にしたくない」という方は、封を閉じる前に必ずチェックしてください。

【資格】税理士・行政書士
【所属団体】一般社団法人日本相続知財センター
S61年税理士登録(登録番号58707)
周南市で父の代から通算46年になる税理士事務所の所長を勤める。職員15名。
相続に関心があり、日本相続知財センター周南支部として一般社団法人 周南相続センターを設立し 争相続(あらそうぞく)を避けるため、 事前対策として公正証書遺言・任意後見契約などを積極的に推進している。
【図解】自筆証書遺言を入れる封筒の正しい書き方

遺言書を入れる封筒の書き方について、法律で厳密なルールが定められているわけではありません。
しかし、発見したご家族が
「これが遺言書であること」
「勝手に開けてはいけないこと」
をすぐに理解できるよう、以下のポイントを押さえて記載するのが鉄則です。
表面の書き方:「遺言書」とだけシンプルに書く
封筒の表面には、中央に大きく「遺言書」とだけシンプルに記載します。
誰が宛てたものかを書く必要はありません(「家族へ」「長男へ」などの宛名は不要です)。
一目で重要な書類であることが伝わるように、はっきりとした太い字で書くことをおすすめします。
裏面の書き方:作成日・氏名・「開封厳禁」の注意書き
封筒の裏面には、誰がいつ書いた遺言書なのかを明確にするための情報を記載します。
- 作成日と氏名: 左下などに、遺言書本文に記載したのと同じ「作成日(令和○年○月○日)」と、「氏名(遺言者ご自身の名前)」を書きます。
- 「開封厳禁」の注意書き: ここが最も重要です!目立つ場所に、赤字などで「※注意:この遺言書は、家庭裁判所での検認手続きを終えるまで、絶対に開封しないこと」と書き添えておきましょう。
自筆証書遺言は、家庭裁判所で「検認」という手続きを経る前に勝手に開封すると、5万円以下の過料(罰金のようなもの)を科される恐れがあります。
これを知らないご家族がうっかり開けてしまうのを防ぐため、必ず警告書きを入れてください。
最も重要!封を閉じたら必ず「封印」をする

インターネットの知恵袋などでも「封筒はのりで貼るだけでいいの?」という質問が多く見られますが、のりで閉じただけでは不十分です。
中身の改ざんやすり替えを完全に防ぎ、「この遺言書は、書いた本人が封をした時から誰も開けていない」ことを証明するために、必ず「封印」を行ってください。
「封印」の押し方とハンコの選び方
封印とは、封筒の蓋(フラップ)と本体の境目にまたがるようにハンコを押すことです。
こうすることで、一度剥がして開けようとすると印影がズレたり破れたりするため、開封されたことがすぐに分かります。
- 押し方: 封筒をのり付けしてしっかり閉じた後、蓋と本体の綴じ目にまたがるように、均等に3箇所ほどハンコを押すのが一般的です(「〆」という文字を書くこともありますが、遺言書の場合はハンコを押すのが確実です)。
- ハンコの選び方: 法律上は、認印であっても封印としての効力はあります。しかし、トラブルを未然に防ぐため、遺言書本文で使用したのと同じ「実印」を使って封印するのが最も確実で安全です。実印であれば「間違いなく本人が封をした」という強力な証拠になります。
どんな封筒を選べばいい?二重封筒はNG?
「手紙を入れるような普通の茶封筒でいいの?」
「二重封筒は不幸が重なるからNG?」
といった、文房具選びの疑問にお答えします。
結論から言うと、封筒のサイズや種類に法的な指定はありません。
一般的な長形4号(B5判を4つ折り)や長形3号(A4判を3つ折り)の封筒で全く問題ありません。
ただし、「中身が透けないもの」を選ぶのがベストです。薄い茶封筒や白封筒だと、光の加減で外から本文が読めてしまう危険性があります。
手紙の世界では「二重封筒は不幸が重なる(忌み言葉)」として避けるマナーがありますが、遺言書においてはむしろ中身が透けないように内側に色がついた二重封筒を選ぶのが推奨されます。
もし手元に透けない封筒がない場合は、遺言書を白紙で包んでから封筒に入れるなどの工夫をしましょう。
封筒に関するQ&A
ここでは、封筒の書き方や取り扱いに関して、よくあるミスや不安を解消します。
封筒の書き方を間違えたら遺言書は無効になる?
A. 封筒の書き間違いだけで、遺言書が無効になることはありません。
遺言書が有効か無効かを決めるのは、あくまで「中身の遺言書本体が、法律の要件(全文自筆、日付、氏名、押印)を満たしているか」です。
封筒に書き損じがあったり、表面に何も書いていなかったりしても、即座に無効になるわけではありません。
ただ、書き直した跡でぐちゃぐちゃになっていたりすると、後々「誰かが後から手を加えたのでは?」と疑われる原因になりかねません。
間違えた場合は、新しい封筒で最初から書き直すのが無難です。
家族が間違えて封筒を開けてしまったら?
A. ペナルティの対象にはなりますが、遺言書自体は有効です。
前述の通り、自筆証書遺言は家庭裁判所での「検認」前に開封してはいけません。
万が一、ご家族が間違えて封筒を開けてしまった場合、5万円以下の過料に処せられる可能性があります。
しかし、「間違えて開けたから、この遺言書は無効になる」というわけではありません。
遺言書自体の効力は生きていますので、焦って捨てたり直したりせず、開封してしまった状態のまま速やかに家庭裁判所へ持参し、検認の手続きを行ってください。
封筒不要!確実&安心な「法務局の遺言書保管制度」とは
「封筒の書き方で失敗しないか不安」「書いた後、どこに保管すればいいか分からない」という方に、ぜひ知っておいていただきたい制度があります。 それが、令和2年(2020年)から始まった「法務局における遺言書の保管等に関する法律に基づく遺言書保管制度」です。
これは、ご自身で書いた自筆証書遺言を、国の機関である法務局で預かってもらえる画期的な制度です。この制度を利用する場合、封筒の準備は不要です。 法務局の窓口へ遺言書を持ち込む際、「封をしない状態の封筒に入れる」か、そもそも「封筒に入れずにそのまま」提出するというルールになっています。法務局側で画像データ化して厳重に保管するためです。
この制度を利用すれば、ご家族が「勝手に開封してしまう」リスクや「紛失・改ざん」のリスクがゼロになります。さらに、残されたご家族は面倒な「家庭裁判所での検認手続き」が免除されるため、相続発生後の名義変更などの手続きが劇的にスムーズになるという絶大なメリットがあります。
まとめ:確実な遺言書の作成・保管は山口県相続センターへ
自筆証書遺言を入れる封筒の正しい書き方や、封印の作法について解説しました。
自筆証書遺言は、費用をかけずに手軽に書ける反面、非常にデリケートなものです。
「封筒の書き方はこれで合っているか」
「どこにしまっておけば安全か」といった不安が常につきまといます。
何より恐ろしいのは、中身の遺言書本文に一つでも法律上のミス(日付の漏れ、押印忘れ、財産の指定方法の曖昧さなど)があれば、せっかくの遺言書がただの紙切れになり、名義変更の手続きに使えなくなってしまうリスクがあることです。
「確実に自分の想いを家族に残したい」
「将来の相続トラブル(争族)や、相続税の負担で家族を悩ませたくない」
このようにお考えの方は、ぜひ一般社団法人山口県相続センターへご相談ください。
当センターでは、法的に絶対に無効にならない遺言書の作成サポート(公正証書遺言の作成や、法務局保管制度の利用サポート)はもちろん、提携する田村税理士事務所と連携し、将来の相続税を見据えた「損をしないための生前対策」まで一貫して対応可能です。
遺言書は、大切なご家族への「最後の手紙」です。不安を残さず、確実な形で仕上げるために、まずは山口県相続センターの無料相談をお気軽にご利用ください。

【資格】税理士・行政書士
【所属団体】一般社団法人日本相続知財センター
S61年税理士登録(登録番号58707)
周南市で父の代から通算46年になる税理士事務所の所長を勤める。職員15名。
相続に関心があり、日本相続知財センター周南支部として一般社団法人 周南相続センターを設立し 争相続(あらそうぞく)を避けるため、 事前対策として公正証書遺言・任意後見契約などを積極的に推進している。


