コラム
遺言書検認申立書の書き方と記入例!当事者目録や提出先の裁判所も分かりやすく解説
自筆の遺言書を見つけ、いざ家庭裁判所で「検認(けんにん)」の手続きをしようとした時、
最初の壁となるのが「遺言書の検認申立書」の作成です。
裁判所のホームページから用紙をダウンロードしたものの、
「申立の趣旨って何?」
「当事者目録には誰を書けばいいの?」
とペンの手が止まってしまった方も多いのではないでしょうか。
書類に不備があると裁判所から修正を求められ、検認の手続きがどんどん遅れてしまいます。
本記事では、一般社団法人山口県相続センターが、遺言書検認申立書の具体的な書き方・記入例から、提出先の裁判所の選び方までを分かりやすく解説します。
「自分で書く自信がない」「平日に役所や裁判所へ行く時間がない」という方向けのサポートもご案内しますので、ぜひご活用ください。

【資格】税理士・行政書士
【所属団体】一般社団法人日本相続知財センター
S61年税理士登録(登録番号58707)
周南市で父の代から通算46年になる税理士事務所の所長を勤める。職員15名。
相続に関心があり、日本相続知財センター周南支部として一般社団法人 周南相続センターを設立し 争相続(あらそうぞく)を避けるため、 事前対策として公正証書遺言・任意後見契約などを積極的に推進している。
遺言書検認申立書はどこで手に入る?
検認の手続きを始めるには、まず「遺言書の検認申立書」の用紙を手に入れる必要があります。
入手方法は大きく分けて以下の2つです。
- 家庭裁判所の窓口でもらう お近くの家庭裁判所の窓口に行けば、無料の申立書フォーマット一式(記入例付き)をもらうことができます。
- 裁判所のウェブサイトからダウンロードする(おすすめ) 裁判所の公式ウェブサイトから、全国共通のフォーマットをダウンロードできます。手書き用の「PDF形式」だけでなく、パソコンでそのまま文字を入力できる「Word形式」も用意されているため、ご自宅にパソコンとプリンターがある方はこちらを利用するのが最もスムーズです。
【項目別】遺言書検認申立書の書き方と記入例
ここからは、実際に申立書の用紙を手元に置いていると想定して、1ページ目から順に書き方のポイントを解説していきます。
1ページ目:申立人と被相続人(亡くなった方)の情報
1ページ目には、申立人(手続きをする人)と、被相続人(遺言書を残して亡くなった方)の基本情報を記載します。
- 本籍地・住所地 ここは絶対に略さず、手元に取得した「戸籍謄本」や「住民票の除票」に記載されている通りに一言一句正確に記入してください(例:「1丁目2番3号」を「1-2-3」と略すのはNGです)。
- 申立ての趣旨及び理由 用紙にはあらかじめ「遺言者○○の遺言書の検認を求める。」といった定型文が印字されていることが多いため、基本的にはそのままで問題ありません。「遺言書を発見したから」といった理由でチェックボックスに印をつける欄があれば、該当するものを選びます。
2ページ目(当事者目録):相続人全員を漏れなく記載する
インターネットの知恵袋などでも最も質問が多く、かつ間違いやすいのがこの「当事者目録」です。
ここには、法律上の「法定相続人」にあたる全員の住所、氏名、生年月日を調べて記載しなければなりません。
最大の注意点は、「遺言書に名前が載っている人だけを書けばいいわけではない」ということです。
例えば、遺言書に「全財産を長男に譲る」とだけ書かれていたとしても、当事者目録には次男や長女など、他のすべての相続人の情報も記載する必要があります。
家庭裁判所は、この当事者目録に書かれた住所宛に「遺言書の検認を行います」という通知(呼出状)を発送するため、正確な現在の住所を把握して記入することが求められます。
遺言書に財産目録がついている場合
自筆証書遺言の場合、遺言書の本文とは別に「財産目録(預貯金や不動産の一覧)」がパソコン等で作成され、添付されていることがあります
(※法律改正により、目録部分はパソコン作成や通帳のコピーでも認められるようになりました)。
申立書の書式によっては、財産目録の有無や内容について記載する欄が設けられていることがあります。
その場合は、遺言書に添付されている財産目録の内容を要約して記載するか、あるいは目録のコピーを申立書に添付して提出する流れになります。
申立書が完成したら!提出先と必要な費用

申立書と、前回までの記事で解説した「戸籍謄本一式」がすべて揃ったら、いよいよ家庭裁判所へ提出します。
提出先は「亡くなった方の最後の住所地」の家庭裁判所
提出先に関する非常によくある間違いが、「自分の家の近くの家庭裁判所に提出してしまう」ことです。
遺言書の検認申立書は、申立人(手続きをする人)の住所地ではなく、
「亡くなった方(被相続人)の最後の住所地」を管轄する家庭裁判所に提出しなければなりません。
例えば、申立人が東京に住んでいて、亡くなった方の最後の住所が山口県山口市であった場合は、「山口家庭裁判所(本庁)」が提出先となります。
遠方の場合は、郵送での提出も認められています。
【参考:山口県内の家庭裁判所の管轄】
山口県内には、山口家庭裁判所本庁(山口市)のほか、周南支部、岩国支部、下関支部、宇部支部、萩支部などがあります。亡くなった方の住所によって提出先が異なるため、裁判所のウェブサイト等で事前に管轄を確認しましょう。
費用は「収入印紙800円」と「連絡用の郵便切手」
申立ての際には、以下の費用を申立書と一緒に提出します。
- 収入印紙:800円 遺言書1通につき800円分の収入印紙が必要です。申立書の所定の欄に貼って提出します(※割印はしないでください)。
- 連絡用の郵便切手 家庭裁判所から各相続人へ、検認期日の通知(呼出状)を郵送するために使用します。この切手の金額や内訳(例:84円切手○枚、10円切手○枚など)は、管轄の家庭裁判所によってルールが異なります。そのため、切手を用意する前に必ず提出先の家庭裁判所へ電話などで確認してください。
提出後の流れと注意点
無事に申立書が受理された後、どのような流れで進むのか、インターネットでよく見られる疑問にお答えします。
申立てをしてから「検認期日」まではどれくらい?
「書類を出したら、その日のうちに検認してもらって遺言書を使えるようになる」
と思われている方もいますが、そうではありません。
申立てを受理した後、裁判所は書類に不備がないかを確認し、各相続人に対して通知(呼出状)を発送します。
そのため、申立ての日から実際の「検認期日(裁判所で開封する日)」までは、裁判所の混雑具合にもよりますが、おおむね1ヶ月〜1ヶ月半程度待たされるのが一般的です。
遺言書を使った名義変更の手続きはそれまでストップしてしまうため、早めに申立てを行うことが重要です。
当日、他の相続人が欠席しても検認はできる?
検認期日の当日、申立人本人は必ず遺言書の現物を持って出席しなければなりません。
しかし、「他の相続人も全員揃わないと開封できないのでは?」という心配は不要です。
裁判所からの呼出状を受け取った他の相続人は、出席するかどうかは自由であり、欠席したとしてもペナルティはありません。
申立人以外に誰も来なかったとしても、裁判官の立ち会いのもとで予定通り検認の手続きは進められ、後日、欠席した相続人に対しても「検認が終わりました」という通知が送られますのでご安心ください。
まとめ:申立書の作成や当事者目録の調査に困ったら
遺言書の検認申立書の書き方や提出の流れについて解説しました。
申立書の中で最も作成が難しいのが「当事者目録」です。
これを正確に埋めるためには、結局のところ「亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍」を完全に集めきらなければ、誰が相続人になるのかを確定させることができず、書き始めることができません。
つまり、申立書の作成は、あの過酷な戸籍集めと常にセットになっているのです。
「当事者目録の書き方が合っているか不安だ」
「戸籍を集めきれず、申立書の作成で挫折してしまった」
「平日は仕事があり、裁判所とやり取りをする時間がない」
このようなご不安を抱えている方は、手続き代行のプロである一般社団法人山口県相続センターへご相談ください。
当センターでは、複雑な戸籍の収集から法定相続人の確定、正確な当事者目録の作成、そして家庭裁判所への検認申立てのサポートまで、専門家と連携してワンストップで対応いたします。
検認後の不動産名義変更や、田村税理士事務所による相続税申告への引き継ぎもスムーズです。
ご家族を亡くされた後の大切な手続きを、少しでも早く、確実に進めるために。まずは山口県相続センターの無料相談をお気軽にご利用ください。

【資格】税理士・行政書士
【所属団体】一般社団法人日本相続知財センター
S61年税理士登録(登録番号58707)
周南市で父の代から通算46年になる税理士事務所の所長を勤める。職員15名。
相続に関心があり、日本相続知財センター周南支部として一般社団法人 周南相続センターを設立し 争相続(あらそうぞく)を避けるため、 事前対策として公正証書遺言・任意後見契約などを積極的に推進している。


